関東や西日本など、雪の少ない地域から北海道札幌市へ移住する場合、冬季の暮らしにおいて気をつけておいたほうが良い事や、知っておくと便利なポイントがあります。
ここでは主に、雪の少ない地域の方に向けた、札幌での暮らしに必須な「暖房」にスポットを当てて紹介していきます。
雪が降る季節がおよそ4ヶ月続く
その年の寒暖にもよりますが、平均すると11月から翌年4月まで雪が降ります。
ただこれには、冬に入りたての頃まれに降る雪や、春先にたまたま雪が降るといった降雪も含めていますので、札幌街へコンスタントに雪が降る期間としては12月~3月の約4ヶ月間を見積もっておけば良いでしょう。
季節が過ぎる速さの体感としては、北夏と残暑が過ぎたあと、あっという間に秋が終わり、すぐに空気がキンと冷える季節がやってくるイメージです。
賃貸アパート・マンションのほとんどは暖房機器標準装備
当たり前ですが、ほとんどの賃貸住宅は暖房機器が設備として標準装備されています。ただし、3LDK以上など部屋数が多く、築年数が古い賃貸住宅の場合、リビングにはストーブが付いているが、個々の部屋には暖房機器が無いという場合があります。
リビングなどストーブのある部屋からドア一枚で個室がある場合は、個室のドアを開放して暖気を取り込むなどの対策ができます。ストーブと部屋の間に廊下がある場合は、必要に応じてポータブル石油ストーブを使ったり、廊下のドアも開放して暖気を取り込む必要があります。賃貸住宅を探す時は部屋の間取りをよく見て、内見では各部屋とストーブの距離にも注視してみて下さい。
このような理由から、ストーブから距離があり、かつ燃料の配管がない個室があったら、日常的に使う部屋として設定しないのがお勧めです。
離れた部屋に暖房設備を後から設置する際お勧めできないのは、火災発生件数の多い電気ストーブです。特に、真っ赤に光るタイプの電気ストーブは、上から衣類が落ちたり、布団が至近距離まで接してしまった場合、速いスピードで引火しますので特に注意して下さい。
暖房費用が多くかかる
灯油またはガスストーブの利用を前提に記述しますが、家にいる間のほとんどは暖房機器を付けておく必要があります。部屋が温まったら暖房を消せばよいと思っていても、よほど断熱がしっかりした住宅でない限り、暖房を切った途端10分や20分で室温が冷えてくるのが北海道の冬。基本的には、暑くなったらストーブの火力を小さくする(節約モードがある場合は、その機能で火力を抑える)というサイクルが通常になってきます。
このことから、(皆さんも予想をされているとは思いますが)他都府県に比べて冬季の暖房費用が多くかかります。
暖房を選ぶなら灯油ストーブがベター
執筆現在、最も家計に優しいのは灯油暖房です。
首都圏以西の住宅ではエアコンで部屋を暖める事が基本かと思います。これはあくまで個人の体感に基づくものですが、灯油ストーブが本体からの遠赤外線で部屋そのものを暖めるのに対して、エアコンやファンヒーターは空気を暖めるため、同じ室温まで暖めたとしても、エアコンは暖気の持続が短いという特徴があります。空気は暖かくなりますが、壁や天井はそこまで暖まらないので、エアコンを切るとみるみる内に室温が下がっていきます。また、これは灯油・ガスの「ファンヒーター」でも同様です。
社会人の皆さんなど丸一日部屋にいる日が少ない方や、1R~1DKなど部屋数と面積が少ない場合はエアコンやファンヒーターの選択もあると考えますが、2間以上の住宅の場合、物件探しの際には灯油ストーブが備え付けられた物件を選ばれる事をお勧めします。
同じストーブでもガスストーブや電気ストーブをお勧めしないのは、ガスストーブは(都市ガスや特別な契約がない限り)光熱費が非常に高額になる事。電気ストーブは火災の原因になりやすいためです。
ポイント
- 北海道札幌市の冬は非常に長い。
- 札幌の賃貸住宅のほとんどは暖房設備が付いているが、個室には付いていない事もある。
- 暖房をオフにすると冷えるのが速く、暖房費用が多くかかる。
- 光熱費、持続性の点から灯油ストーブがお勧め。
編集後記
進学や転勤で札幌に移住される方の多くは賃貸住宅を契約される事と思いますが、雪のない季節に物件探しや内見をした場合、意外と暖房設備が見落とされがちです。
少し大げさに言うと、一年の半分は寒いシーズンとなりますので、賃貸住宅を決める際はぜひ暖房設備に注目して選んでみて下さい。